業績予想修正と中期経営計画の取り扱いについて(2020年4月30日)
代表取締役社長の矢田でございます。
COVID-19に罹患された皆様や経済悪化により困難な生活環境におられる皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、最前線でリスクと向き合いながらも献身的に向きあっている医療従事者ならびに支えるご家族の皆様におかれてましては感謝の念に堪えません。改めて感謝申し上げます。
4月13日付にて「業績予想の修正及び「中期経営計画 FY21」取り下げに関するお知らせ」として業績変更開示をいたしました。内容につき改めてご説明したいと思います。
▼FY19修正内容(単位:百万円)
・連結売上 3,800(前年比:116%) → 3,924(前年比:120%)
・連結営利 270(前年比: 66%) → 201(前年比: 49%)
※現在、単年度の通期決算手続きの最中ではありますが、新型コロナによる監査法人の監査手続きに全体的に遅延発生しているということもあり、通年と比較して決算スケジュールが後ろ倒しになる見通しであります。
(連結売上高の業績予想修正について)
FY19は、中長期方針(トップライン拡大優先方針)に準じた運営をし、売上高の上ブレ推移策を講じてまいりました。上場後、ダウンドレンド気味であった『売上成長率』は大きく回復することができる見通しとなりました。来年度に更に更新していくことができる目処が立つようになりました。
※M&Aすることによる加算を踏まえた売上成長率は(左図)のように推移。そこからM&Aによる初年度加算を控除し次年度以降の成長分のみをカウントした場合は(右図)のように推移。なお、本データは、先日開示したFY19業績予想開示数値をプロットしており、最終的な決算開示数値とは異なる場合があることをご承知おきください。
(連結営業利益の業績予想修正について)
シェアオフィス事業への大型投資にウエイトをかけておりましたが、複数年償却対象見積としていた中の一部について、経費もしくは一括償却としての手続きにより、△52百万円が本年度の利益直撃することになりました。投資そのものは概ね年度内で完結していることもあり、FY19に限定した影響ではあります。この影響を吸収しきれなかったことが、今回の予想修正の本質的な要素(利益の減少要因)です。
デジタルPR事業はというと販売費(販売人員や宣伝広告)を段階的に積極化させ順調に進行していたものの、2月後半~3月にかけCOVID-19の影響により、デジタルPR事業へのインフルエンサー案件の進行期ズレやリリース配信減少により、想定比で少なくとも35百万円程度の減収影響が発生いたしました。なお、シェアオフィス事業への新型コロナの影響は極めて軽微な範疇で進行しているため、大きな影響はございません。いかなる背景があるにせよ、事前開示内容を修正したことにつき、株主の皆様に対し、お騒がせしご心配おかけしてしまったことにつき大変心苦しく感じております。
▼COVID-19の影響からみる中期経営計画の取り扱いについて
定性要件は複合的なものとなりますが、計画値に対しての影響は以下2つのアプローチにて検証しております。
(1) 既存顧客のストック減少(既存顧客からの想定収益が減少する可能性)
リリース配信サービスやインフルエンサー案件には多少影響がでる見通しです。但し、後述する『新規獲得戦術』により補完能力が高まると考えております。なお、クリッピングサービスやシェアオフィスサービスへは現時点においてストック力を大きく毀損するような影響は検知されておりません。
(2) 新規顧客の獲得鈍化(新規顧客の獲得効率が減少する可能性)
中長期方針(売上高拡大優先方針)を表明していた当社にとって、この部分の不透明具合が多分にあり、将来2年間に渡る中期計画は一度取り下げることが適当と判断しました。期中はほぼ方針通りに進行できていた背景からも大変不本意ではありますが、ここは一度中期計画の取り下げをするに至りました。
現時点における見通しでございますが、デジタルPR事業は、プロダクト方針は維持、営業戦術方針を変える(単価優先→顧客数優先)ことで、一定レベルの補完が可能であろうと考えております。期末より営業戦術を切り替えスタートしており、現時点で一定の効果がでてきております。
シェアオフィス事業ですが、当社のターゲットはフリーランス等ではなく、『中堅企業層へのリモートワーク拠点・分散拠点』であるため、今後の企業想定ニーズには合致しているため、大きな解約はないと考えておりプロダクト方針は維持する方針であります。ステイホーム期間は内見オファーも減少しているのはやむを得ないことでありますが、その間、感染予防等の設備(除菌噴射、定期殺菌、ソーシャルディスタンス対応、検温サーモグラフィ等)は設置済みとしております。
また、オフィス利用者と在宅勤務者とサテライトオフィスという分散拠点という新しい働き方モデルに一気にシフトされることを踏まえ『執務空間と在宅空間の空間共有設備(Microsoft Teams等での常時接続用大型タブレットやタッチパネルモニター等)』を標準化できないかと考えており、まずは当社他部門での標準化検証をスタートしているところであります。
当社デジタルPR部門では、在宅勤務・新宿・新宿御苑・六本木・新橋・大阪・福岡・名古屋という複数ハイブリッド拠点により、営業チーム・運用チームが分散運用することを従前より推進中です。
以上、(1)ならびに(2)を精査中ではありますが、トップライン成長優先とする大方針は据え置くことを想定しており、その実現のためのコスト構造パターンを定量化し、何らかの形で計画数値を改めて開示していく予定としております。
投資家の皆様におかれましては引き続きのご支援のほどよろしくお願いいたします。